秋田公立美術大学大学院修了研究展2019/Akita University of Arts Exhibition 2019

会場構成、展示計画、施工協力
敷地:秋田県秋田市
​用途:展示、イベント
​面積:300m2
設計:工藤浩平(工藤浩平建築設計事務所)
施工:住建トレーディング+学生有志
設計期間:2018.11-2019.1
竣工:2019.2
写真:草薙裕 / 秋田公立美術大学大学院(※から下)
動画:土方大 / 秋田公立美術大学大学院
主催:秋田公立美術大学大学院 複合芸術研究科
後援:秋田市|秋田魁新報社|NHK秋田放送局|ABS秋田放送|AKT秋田テレビ|
AAB秋田朝日放送 CNA秋田ケーブルテレビ|あきびネット

 

記録冊子に寄稿したテキスト

私は建物だけでなく、自然や人間や時間といった、そこにある環境すべてを等価に扱い、建築を考えてきた。今回も同じように9人の研究と展示空間を等価に扱いながら、そのままの関係を展示空間にできたらいいなと思い、研究内容を聞き始めた。なかなかテーマが伝わりづらい研究だなあというのが最初の印象だった。それは他分野を横断し研究テーマを俯瞰し、専門分野を高めていくプロセスをとりながら、言葉にも作品にも強度がある程度求められているからだろう。私は9人と話しながら、その舵取りの仕方を一緒に考え始めた。なかには少し方向が変わっていった人もいたし、その多様性こそが展示空間の面白さにつながると思っていた。分野を厳密に分けず、お互いがゆるく関係し合うような芸術のあり方が、私の思う複合芸術であり、環境と思ったからである。みんなで話し合い、個々の研究を意識しながら、空間を考えていく。そんなことを何回かやりとりしてできた”複合的な空間”である。

構成は、個々の作家の展示空間が中央の開かれた展示空間を取り囲うようにできている。単管48.6mmの厚みを、クランプを使わず同じ面で接合することで、抽象的な平面とストラクチャーを浮かび上がらせ、外側と内側が完全に切れることのない柔らかな関係を保つようにした。お互いの作品や展示空間を意識しながら個々に制作を続けていった結果、無機質なストラクチャーの中で彼らの多様性が混じり、捉えられない変容していく都市のような展示空間が生まれた。変わっていくことを恐れずに、他者との多様な関係を築いて行くことが、彼らのこれからの制作の刺激になってくれたらと思っている。